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ぼくがバックホーンの存在を知ったのは1999年のFUJIROCKだった。

リーバイス NEW STAGEという若手のバンドを集めたステージへPEALOUTを見に行った時、たまたまライブをしていたバックホーンを見かけた。そのライブパフォーマンスに魅了され、CDを手に入れようとしたのだが、彼らはまだ1stアルバムすらリリースしていなかった。

FUJIROCKから数か月後、彼らの1stアルバム「何処へ行く」がリリースされたわけなんだけど。その音源ったらもう・・・。

毒気や感情の不安定さを全然隠す気がなく、むしろそのような感情を起爆剤としているようにすら感じた。これはとんでもないバンドが現れた!と知り合いにCDを聴かせまくったのを覚えている。

今回は、日本を代表するロックバンドとなった彼らの1stアルバム「何処へ行く」の変態性とその中に存在する成長ストーリーについて話をしていこうと思う。

 

「何処へ行く」導入動画

何処へ行くの中でも一番闇が深い曲である「カラス」。ゆっくりと官能的なこの曲の題材は、子供が母親の裏の顔を見てしまった為に首を絞められるというようなものである。この曲を聴いてもらうだけでもこのアルバムに秘められた変態性を感じてもらえるのではなかろうか。

この歌詞で曲を作ったうえに、デビュー作に入れてしまうというその凄さ・・・。

 

 

THE BACK HORNについて

メンバー

via: THE BACK HORN公式サイト

何処へ行くリリース時はベースが平林さんだったが、現在はメンバーチェンジをしている。ベースが不在であった「人間プログラム」発売時期は、山田将司さん(Vo.)がベースを弾いていた。

  • 山田将司さん (Vo.)
  • 菅波栄純さん (Gt.)
  • 岡峰光舟さん (Ba.)
  • 松田晋二さん (Dr.)リーダー

 

THE BACK HORN 概要

1998年結成。“KYO-MEI”という言葉をテーマに、聞く人の心をふるわせる音楽を届けていくというバンドの意思を掲げている。彼らの音楽の題材は、戦争・平和・孤独・死・愛・生・人間のつながりなど、重いテーマが多く、ほぼ全ての楽曲の歌詞に日本語を用いている、スペインや台湾ロックフェスティバルへの参加を皮切りに10数カ国で作品をリリースし海外にも進出している。

インディーズ時代に「何処へ行く」、「甦る陽」という2枚のアルバムと、「風船」というシングルをリリース。この風船がとんでもない名曲である。もし聴いていない方がいたら、ベストアルバム「BEST THE BACK HORN」にも収録されているので是非聴いて頂きたい。

2001年に「人間プログラム」でメジャーデビューを果たすと、RISING SUN ROCK FESTIVAL、ROCK IN JAPAN、FUJI ROCK FESTIVALなどのイベントへ次々と参戦し、全国へその名を轟かせた。現在も精力的に活動を続けている。

 

「何処へ行く」について

何処へ行くは1999年にリリースされたTHE BACK HORNの1stミニアルバムである。他のアルバムに比べるとかなり重々しく耳に馴染み難い曲が多いのが特徴である。1stだけが持つ爆発力が予想だにしない方向へ向かったことで、他に類を見ない程に変態的で毒々しい雰囲気をかもし出している。

そしてその1曲1曲が繋がることで見え隠れするストーリーがぼくを惹きつけるのだ。これについては曲の説明をしながら少しだけ話していこうと思う。この物語の登場人物をAさんと仮定する。

1曲目 – ピンクソーダ 

何かが鬱積したような荒々しいイントロから始まる1曲目。Aさんは曲の冒頭で、今いる場所を愛していると歌いながら、最後にはこんな世界なんて爆弾でぶち壊してやると叫ぶ。その情緒不安定さから、Aさんは大きな不安や憤りを感じているようにみえる。
ってか、1stアルバムの1曲目から爆弾でぶち壊すとかね・・・。

2曲目 – カラス

導入動画でも紹介したが、暗くひずみのあるイントロから始まる本曲は、Aさんの情緒不安定さの原因(トラウマ)を表す。

3曲目 – 冬のミルク

Aさんは、自分の形は意味のない抜け殻であると歌いながらも、自分の存在に対する質問に聴こえないふりをするBさんに激怒している。自分の存在意義や他人からの愛情に飢え、相変わらず情緒は不安定である。

4曲目 – 魚雷 

この曲の中でAさんは、自分という存在や愛など関係なく、全てを焼き尽くす程に命を燃え上がらせてやると宣言している。1曲目で感じていた不満や憤りを消化して乗り越え始めている。

7曲目 – 晩秋

そして、本アルバムのハイライトとも言える、晩秋。ここまで散々くすぶり悩んでいたものを乗り越えたことにより、感情が前向きに変化している。Aさんの情緒不安定さはほとんどない。そんな前向きな歌の中でも、空の広さに比べると僕らの夢なんて小さいものだという皮肉さを忘れていないところがバックホーンらしい。

8曲目 – 何処へ行く

最後。Aさんは前を向いたことで新たな不安を感じるようになる。「不安」という単語は1曲目と同じだが、今回のそれは、前を向くがゆえに感じるものであるり、未来を見据えて歩き出したことを表している。

曲を単発で聴いていくと、爆弾でぶち壊したり、母親に首を絞められたりと、とんでもない印象を受けるが、アルバムを通して聴くと一人の人間の成長の物語のように感じることができる。そしてそのむき出しの弱さや強さがとても魅力的であるがゆえにかっこいいのだ。

1stアルバムなのにこのような曲を並べてカッコよさを作り出してしまうバックホーンの変態さたるや・・・。あくまで個人的な見解ですけどね。

▼収録曲

1. ピンクソーダ
2. カラス
3. 冬のミルク
4. 魚雷
5. 雨乞い
6. 怪しき雲ゆき
7. 晩秋
8. 何処へ行く

▼1曲目 – ピンクソーダ

▼8曲目 – 何処へ行く

 

THE BACK HORN オフィシャルサイト

物販 (バンドTシャツ)
オフィシャルストアで発売されています。

 

リリース情報

2017年2月に25枚目となるシングル「あなたが待ってる」をリリースした。

本作はTHE BACK HORNと宇多田ヒカルさんの共同プロデュースであることも話題を集めている

▼ THE BACK HORN – あなたが待ってる MV

 

まとめ

今回はTHE BACK HORNの1stアルバム「何処へ行く」について話をしてきました。収録された1曲1曲の変態的な毒気。そしてそんな曲を1stアルバムに入れるだけでなく、かっこよくしてしまうバックホーン自身の変態性。その変態の相乗効果の結果とんでもないアルバムになっています。

是非聴いてみてください。

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